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ハーモニーの歴史2 [連載読み物]

成り立ちの歴史からハーモニーをやんわりと解説するシリーズの続きです。
 
 1回目のお話はこちら → ハーモニーの歴史1
 
第2回:別々の歌を歌えば...
 
02_Canon
パッヘルベルのカノンの冒頭
(チェンバロのパートは省略) 
3つバイオリンが2小節ずらして
まったく同じメロディーを演奏するカノン様式
コードでは語れないハーモニーの世界
 
メロディーにハーモニーを付ける場合、メロディーを演奏している人(普通、コーラスならソプラノ、オーケストラなら第一バイオリン)のパートが「主」となって、残りのパートは「従」となります。メロディー以外を演奏している人は、縁の下の力持ちで目立ちません。またまた、大昔に戻って音楽の成り立ちを考えると、これは不自然な事です。みんなが寄り集まって楽しく歌う場で従属関係があるというのはありえません。それどころか、楽譜のない大昔に全員がきっちり合わせて歌うのは困難であったはずです。

原初的な事を想像すると、他の人が歌うのに合いの手を入れたり、ワンテンポ遅れて歌ったり、はたまた適当なメロディーを入れてちょっかいを出したり...。などなど、一見いいかげんに脇で騒いでいる方が自然でしょう。このごく自然な行為が発展していくと、あるメロディーに対して違うメロディーを歌う行為に発展していきます。即興演奏によりメインのメロディーに歌や演奏をつけていくことが盛んに行われるようになっていきました。当初は、ハーモニーを意識していた訳ではないと思われますが、二つの音が重なれば時により奇麗に響く時とそうでない時が自然と現れます。特に理論や法則もないところで、いかに上手に響くように別の歌(メロディー)を重ねるかが職人芸となります。

このようなハーモニーの付け方は、ヨーロッパでバロック時代までに完成の域に達します。時代が進むと、単純に合いの手のように短いフレーズを入れるものばかりではなく、1曲丸まる違うメロディーが重なるようになり、パートも2つ以上の複数になっていきます。また、最初に出たメロディーをずらしたり、音程をひっくり返したり、前後を逆にしたりなどなど形式的にきっちりとした「模倣」を取り入れるようにもなってもいきます(これらはカノンやフーガと呼ばれ現在でも重要な編曲技法です)。これらの努力の中で、どうのような時に奇麗に響くかと言う法則が徐々に発見されていきました。このように同時にいくつものメロディーを演奏してハーモニーをつける方法はポリフォニーと言われ、全世界の音楽で見られます。

しかしながらヨーロッパのバロック後期に、譜面の書き方、楽器の改良などで大編成の演奏が可能になり、かつハーモニーの理論が分かりはじめると、ポリフォニーは全盛期を終えます。そして、現在一般的な方法、一つのメロディーに他のパートがハーモニーをつけていく方法にとって替わりました。これは、ホモフォニーと言い、現在、我々が聞いている音楽のほとんどがこれに当たります。

結局、現在ごく普通と考えられているホモフォニーによる作曲手法は、世界的にも歴史的にも少数派です。音楽は、ごく最近まで、世界中でポリフォニーによって作られてきました。そして現在のホモフォニーで作られた曲でも、名曲になればなるほど各パートの奥底にはポリフォニーが潜んでいます。つまりは、メインのメロディーパート以外も、綺麗なメロディーを歌うと言うことです。これは、「コード」と言う限られた概念では理解出来ません。ある歌に別の歌を重ねると言う音楽の本質であり、ハーモニーをつける際に最も重要な事です。

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