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メロディーが浮かぶ時:テーマ編 [雑感]

以前もメロディーを作るシチュエーションについて記事を書いたことがありますが、今回は少し異なった観点で書いてみます。作曲という目に見えない作業なので、今回もとっても抽象的ですが、、、。

Music & Theme

作曲から始めるにせよ、作詞から始めるにせよ、作り始める時には何かしらのテーマがあります。それは、とても抽象的なことで「思い」のようなものです。何かしらの感情を曲で表現したいと言う「思い」です。自分自身のことであれ見聞きしたことであれ、生きていれば何かしら心が動かされることがあり、その「思い」をメロディーとして形にすることが作曲だと思います。

ただし、悲しいことがあったから悲しい曲を作ると言う単純なものではありません。自分自身の悲しい事でも他者からの観点で切り出せば勇気づける明るい曲になるかもしれません。感情と言う不確かで揺れ動くものを切り出すので、感受性があればいろいろな側面から見ることができます。

文章に例えると分かりやすいと思います。単純に切り出せば日記のように表現の幅が狭いものになりますし、そこに独自の考えを入れればエッセーに膨らみます。さらに想像力を働かせれば小説にもなるでしょう。このように、単純な感情が複雑な思いへ成長していくと作品のテーマとして固まってきます。

さらにそのテーマを頭の中でメロディーや詞のイメージへ変換していくわけですが、この変換作業が最も難しいと思います。頭の中の感情はとても複雑ですし刻々と変化していきます。とても多種多様で膨大です。それに対して、頭の中にストックされているメロディーや詞のアイデアは有限です。これまでに聴いてきた膨大な曲からほんの一部が知識として自分の頭の中にストックされているにすぎません。

テーマに対して当てはまるストックがないと形にならないので、何年も作曲をやっていてもいつも苦労します。自分の頭の中にあるストックの少なさを痛感します。ストックを増やすには、とにかく、たくさんの曲を真剣に聴くしかないですね。作曲に限りませんが創造的な作業は、そういうものだとは思います。

余談ですが、感情とメロディー・詩の膨大な対比表があれば曲が作れてしまうとも言えます。人間が習得するのは何年もかかりますが、コンピューターが発達して、過去の膨大な作品を入力すれば意外と簡単にAIが作ってしまうのかもしれません。ちょっと恐ろしいですね。


タグ:作曲 テーマ
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アレンジノート [雑感]

今回は曲作りにまつわる雑記です。アレンジ中にメモ書きをしているノートを御紹介します。作曲をしている他の人にとっても参考になるかは微妙ですが、自分としてはなくてはならないアイテムです。

Arrange notes
以前も何度か書いてますが、曲作りの際、メロディーとコード進行は五線譜にメモ書きし、詞はレポート用紙などにメモ書きします。アレンジが固まった後、ギターなどの録音前に、それらを五線譜に清書して、アレンジのミス等を最終確認します。

これとは別に、アレンジ作業は、自分が「アレンジノート」と呼んでいるノートにいろいろと書き込みをします。例として先日アップした「君がいる街へ帰ろう」のページを掲載します。メモ書きなのでかなり字が汚いです(スイマセン)。

Arrange note 5

ざっと書いてある内容の説明です。左ページの上は使用したシンセサイザー等の音色、下側はサンプリング素材の元ネタやボーカロイドの声の設定です。右側の上部は、ギターやベース等の録音時のエフェクター等の設定、下側はミックスダウン時のエフェクター等の設定です。PC内やデジタルミキサー(YAMAHA 02R)内のエフェクターやイコライザーなど他にも設定はたくさんありますが、それらは特殊な使い方の場合のみ書きます。

昔々、多くの機材がアナログの時は、それらの設定を保存・再現することができなかったため、このメモを書く習慣がつきました。現在は、自分の(20年前の)古いシステムでも、多くはPCや各機材に設定を保存できるのでメモをしなくても設定は再現できます。ただし、今でもギター用のペダルエフェクターなどのアナログ機材は設定を保存できないのでメモは必須と言えます。また、演奏動画など、ちゃちゃっと録音してしまいたい時は、わざわざメモリーに保存するより設定をメモってしまった方が楽だったりします。

ただし、このメモを続けている最大の理由は、アレンジの全体像を見渡すのに便利だからです。もちろん、PC上に設定やメモを書くこともできますが、いろいろ試行錯誤をするアレンジ作業では、つい後回しにしてメモリーへの設定保存やメモ書きを忘れがちです。やはり、紙に適当に殴り書きする方が簡単です。

あと、一番、便利なのが過去と同じような設定・音色を使いたい時です。わざわざ、PCで過去のプロジェクトを立ち上げなくても、ノートだと一瞬で確認できます。また、いつも似たような音色を使わないようにと言う意味でも、過去の設定を一望できるのは便利です。

と言うことで、自分なりにたどり着いた曲作りの道具、アレンジ・ノートの解説でした。


音楽生活の過ごし方 [雑感]

今回はとてもどうでも良い雑記です。自分は週1回のペースで音楽に関したブログを更新していますが、その日常を書いてみます。誰も興味はないとは思いますが、、、。
 
Cycle & Flower 
 
自分は、それなりに残業がある仕事をしているので、基本的には平日に趣味はやりません。なので、音楽やブログは週末の土日の活動が主になります。基本的に引き籠り(?)なので、週末は在宅してます。

休日の過ごし方ですが、天気の良い午前中は小さな庭で花壇や家庭菜園の世話に励みます。その後、家族と週末のまとめ買いの買い物とランチやお茶でのんびりします。そして午後は運動と散歩を兼ねて1時間ぐらい自転車に乗ります。行先は駅周辺で自分の買い物や本屋を覗いてから公園で一休みと大体コースが決まってます。ディスクワークが主の仕事なので、こんな感じで週末は体を使うようにしてます。

で、いつ音楽をやっているかですが、庭仕事、買い物、散歩の合間に1時間ぐらいずつちょこちょことやり、後は散歩から帰った後、夕方から就寝前(夕食時を除く)に集中してやります。普通の人がTVなどを見てくつろいでいる時間帯に音楽をやっている感じだと思います。雨降りの日は庭も自転車も出来ないので音楽活動が進みますが、読書も趣味なので雨読晴耕で読み始めると音楽活動が停滞します。

こんな感じなので、音楽をやる時間は土日の2日間合わせても平均で数時間と言うところだと思います。1曲作るのに週末が3~5回ぐらいなので、その数時間はかなり高密度で作業をしていると思います。逆に、難しい曲をやり始めて、丸1日続けて作業をしたりすると疲れ果てて倒れそうになってしまったりします。

ブログの方ですが、基本的に週末にやったことを区切りの良いところで音源化して記事にし、次週の土曜日に予約公開する流れでやってます。ただし、作業が進んだ時は、1回の週末で2~3回分の記事にすることもあります。また、遠出の外出や所用で作業が進まない週もあるので、音源のない(今回のような)雑記的な記事をいくつかストックをしています。

週末に高密度で作業ができるのは、オリジナル曲の製作だからだと思います。曲のアイデアを考えることは、静かな環境ならいつでもどこでもできます。車通勤で朝は渋滞で1時間弱かかるので、参考になる曲を聴いたり新曲の構想を考えたりと、特に車の中は音楽漬けです。その他、ちょこっと時間が取れれば、同じように聴いたり考えたりと、平日にアイデアを頭の中で熟成させておいて、週末に一気に音に仕上げることが秘訣だと思います。実際に音を出すのは週末の限られた時間だけですが、そう言う意味では、毎日、音楽三昧とも言えますね。

と言った感じで長く音楽と付き合うために行き着いた自分なりの生活のリズムでした。


タグ:音楽 作曲

打ち込みと演奏表現 [雑感]

先週の公開したオリジナル曲、"Stardust In The Woods"について、つらつらと書いてみます。とは言っても、今回は制作記ではなく、打ち込みについての雑感です。

"Stardust In The Woods"は自分としては珍しいピアノソロ曲でした。ピアノはほとんど弾けないので、打ち込みの演奏です。いつものギターが中心の曲でもドラムなどで打ち込みをやりますが、あくまでも脇役なので難しい演奏表現を打ち込むことは少ないです。演奏表現は実際に演奏するギターの方で頑張ります。しかし、ピアノソロ曲では打ち込みのピアノしかないので、打ち込みにより100%感情を表現をしなければなりません。
 
実は、ピアノは他の弦楽器や管楽器のように音階以外の音程を出したり、ビブラートのように時間的に変化したり、演奏法により多彩な音色を使い分けたり、、、などなどがないので、実は打ち込みとしては一番簡単な楽器です。

とは言っても、多くの人が打ち込みは難しいと感じると思います。ピアノロール表示のPCの操作自体は、そんなに難しくはないと思いますが、操作を覚えてもなかなか思った通りに演奏できないと思います。結局のところ、PCを操作しているとは言え音楽を演奏するのには変わりなく、音のタイミング、伸ばし方、強弱、音色など楽器を演奏して覚えることを同じように覚えないと打ち込めません。実際に楽器を演奏するのと違ってフィジカルな技量はいりませんが、耳(脳)の技量がないと思ったように打ち込めません。

余談ですが、シンセサイザーに比べてボーカロイドの打ち込みの方が簡単です。前後の音程や発音により、かなり自動的に人間らしい表現をしてくれるからです。初心者がボカロから始めるのは、とっつきやすさでは良い選択だと思います。

話は戻って、"Stardust In The Woods"。自分はピアノは弾けませんが、耳はそれなりに出来てきたかなと思い、あえてピアノソロ曲を打ち込みでやってみました。繊細な強弱やテンポの揺れなど自分なりには感情表現ができたと思います。

打ち込みのピアノロール・ウインドウ
1曲分の音が整然と並んでます。上下が音程、左右が小節(時間)、下段の棒グラフが音の強さです。
Stardust Pianoroll 1 
 
イントロのみを拡大
実際には、音のタイミング、長さ、強さ、すべてが微妙に違うのが分かると思います。自分の頭の中で鳴っている演奏になるようにチマチマと修正しているうちに、このようになります。
Stardust Pianoroll 2 
 
で、今回は珍しい企画です。打ち込みでちゃんと演奏さるのとさせないのとではどのぐらい違うかの比較です。"Stardust In The Woods"の打ち込みの演奏表現をすべて削除してみました。テンポ、タイミング、強弱、すべて一定です。

演奏表現のない打ち込み
 
演奏表現のある打ち込み(先週、公開したものと同じです)
 

違いは分かります、、、よね?

(製作期間 : 2016年6月~7)  
 
Copyright 2016 Katsumi Ochiai 

過去記事ベストテン(2) [雑感]

今週、このブログのアクセス数の累計が20万を越えました。おかげさまで多くの方に来ていただいて感謝しています。ブログを始めて4年が過ぎているので20万が多いとも言えませんが、素人のオリジナル曲のブログでこれだけの訪問を頂けるとは思ってなかったので、とてもありがたいです。
 
Brog_PV 
 
平日はガッツリとお仕事ということもあって、音楽活動もブログの執筆・閲覧も週末の限られた時間に限られます。なので、相変わらず記事を書きっぱなしで、皆さんのところへコメントを書いたりのお付き合いはほとんど出来てませんが、「nice!」を頂いた方の記事は楽しく読ませていただいてます。

で、1年前、アクセス数の多い記事のベストテンをピックアップしました。当時は、記事数191、アクセス数13万でした。2番煎じの企画ですが、また過去記事ベストテンです。カッコの順位は昨年の順位、日付の後のカッコ内の数字は各記事のアクセス数です。タイトルに過去記事へのリンクを貼ってあります。
 
1位(4位) ギター改造:ストラト22F化  2014/11/08 <2716
2位(2位) アリアプロⅡ ST-600D (ジェフベックモデル)  2013/06/09 <2438
3位(1位) Guitar Solo <Valve Drive> with Guyatone  FLIP 200F  2013/09/18 <2297>
5位(5位) ROCKMAN X100  2014/04/19 <1938>
6位(8位) フライングV大修理(その2)  2014/03/08 <1659>
7位(7位) シンセサイザー(ラックマウント)  2013/08/24 <1437>
8位(6位) 録音機材(ラックマウント)  2013/08/03  <1408>
9位(10位) 録音スタジオ紹介  2013/07/06 <1138>
 
曲の製作記事にリンクをつけていることもあり、楽器・機材関連の記事が多いですね。そして、ストラトの改造記事がトップに躍進しました。22フレットへの改造に興味がある人が多いのかもしれません。自分も改造をする前にネットで記事を調べましたし。ちなみに最近1年間で最もアクセス数が多かったのは下記の記事です。


演奏動画付きの機材紹介は参考になりますね、、、と言いたいところですが、新品で売ってない古い機材なので記事を見られた人のお役に立ったかは分かりません。

と言うことで、あらためて本ブログへの訪問をありがとうございます。引き続きオリジナル曲の製作を続けますので、よろしくお願いします。


作曲→小説→アレンジ [雑感]

先月、作曲のイメージをつかむために短歌や小説を書いたことを記事にしました(こちら)。今回はその続編です。
 
前回、作曲の過程を紹介した"Blue in the dark"ですが、4th アルバムの製作時だったため、メモ程度の譜面に書き出した後、他の曲の作曲を続けました。20曲ほど作曲した後にアレンジと録音の作業を始めたため、この曲のアレンジを始めたのは作曲の半年後でした。

アレンジをするために半年ぶりにメモの譜面でギターやシンセを弾いてアレンジを考えようとしている時に、ふと物語が頭の中に浮かびました。そこでアレンジは後回しにして、また短い小説を書きました。続編の小説ですが、設定は異なります。また、ちょっと長くなりますが全文を掲載します。
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  "ブルースニーカー"

 「新しいスニーカーだね」
 自分に話しかけられているとは思わなかった。後ろから声をかけられたことに、ちょっと間をおいてから気が付く。振り向くとそこには学生服の彼が立っていた。とっさに返事が思い浮かばないまま、彼の顔を凝視してしまった。

 今朝、週末に買った新しいスニーカーを履いて高校へ行こうと思ったのは、ちょっとした気まぐれ。明るいブルーのデザインがちょっと派手かなと思ったけれど、まあカラフルな蛍光色のスニーカーを履いてくる派手目なグループの女の子たちに比べればごく普通。先生に目をつけられることもないとは思った。でも、買った時は学校に履いていこうとは思ってなかったので家を出る時のちょっとした気まぐれだと思う。

 彼の顔を見たまま、何か言わなくちゃとやっと頭が回り始める。
 「うん、日曜に買ったばかりなんだ」と応えてからなんだかつまらないことを言っている自分に気が付く。話を切り上げて歩き始めようかとも思うけど、状況が呑み込めなくて言葉がでてこない。彼とは半年前から同じクラスだけど二人で話した記憶がない。特に接点もなかったし、お互いクラスの中では地味な方でクラスの全員と会話をしているわけでもない。
 とか考えているうちに彼の顔を見続けている自分に気が付く。慌てて目をそらしたけど、他に見る物もなくて視線がさまよう。ちょっと挙動不審?
 「やっぱり、新しいんだ」
 彼が応える。やっと頭が回り始める。当然だけど、私が新しいスニーカーを履いてきたことなんか彼が知っているわけもなく、当てずっぽうで言ったのだと気が付く。それにしても何で新しいと気が付いたんだろう。それより、何で今朝に限って声をかけてきたのだろう。

 彼が私を追い越して学校に向かって歩き始めた。廻りに同じ制服が何人か見えるので、ちょっとマズイかなとも思ったけど、会話が途中な気もするので彼の横に並んで自分も歩き始める。疑問を投げかけてみる。
 「何で新しいって分かったの?」
 少し考えた様子で前を向いたまま彼が応える。
 「うん、初めて見た気がしたから」
 何となく答えになっていない気もする。今まで私の靴を観察していた? て言うか何で私の事を見ていたのだろう? いつから? 頭の中がグルグルしてくる。横にいる彼の顔を見る。何事もなかったように涼しげな顔をして遥か先を見て歩いている。あらためて彼の顔を見るとなんかざわざわしてきた。特別、カッコ良くもないけど悪くもない。でも、普通でもないかも? 

 突然、彼が鞄を持ち替えながらこっちを見る。目が合って動揺したのは彼の方だった。涼しげな顔が崩れて急にそわそわした感じになった。つられて私も視線を外して下を向く。彼のスニーカーが目に入った。もちろん、新品じゃなくて、どちらかと言うとくたびれたグレーのスニーカーだった。スニーカーに書かれている大きなロゴが目に入る。私が履いているのと同じだった。
 「スニーカー、同じメーカーだね」
 「うん」すぐに彼が返事をする。
 分かってたみたい。もちろん彼に合わせて買ったわけじゃないし、名の知れたメーカーなので偶然って程の事でもない。なのに、急に恥ずかしくなってきた。デザインが違うのでお揃いってわけでもないのに。
ちらっと彼を盗み見る。何となく彼もちょっと赤い顔をしているかもしれない。会話は進みそうにもないけど、もうすぐ学校に着くのにここでサヨナラってのも変かな?

 偶然なのか理由があるかは分からないけれど、彼が声をかけてくれたのは事実だし今度は私の番かな?
 「ねえ、帰りも一緒に帰ろうよ」
 と言って目の前の校門に向かって走る。校門を通り抜けてから振り返って彼を見る。笑顔だったのでOKかな? とりあえず、教室まで全速力しかないね。真っ赤な顔を見られるわけにはいかないから。

- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - Copyright 2012 Katsumi Ochiai 
 
Blue sneakers 
 
前回の小説とは、男女の役回りが逆ですし雰囲気も随分違いますね。でも、自分的には、登場人物の男の子の心情が曲のテーマと合ってます。この後、曲のアレンジ作業に入った訳ですが、少しハードロックぽいアレンジになったのは、こちらの小説の男の子のイメージに影響されたのかもしれません。 
 
と言うことで、小説と作曲のコラボ(と言っても、どちらも自分作ですが)のお話でした。また、再アップですが、曲はこちらです。

 
Copyright 2014 Katsumi Ochiai 

短歌→小説→作曲 [雑感]

今回は趣向を変えて作曲にまつわる、ちょっと"文学的"な雑記です。以前、メロディーが浮かぶ時の事を書きました(こちらこちら)。頭の中で感じた混沌とした思いを曲にしていく過程は、自分でもさまざまな道のりがあります。その辺を書いてみます。
 
”Blue blossoms in the dark 
 
作曲に限らず、多くの芸術は人の感情を形にするものだと思いますが、頭で感じたことをすぐにメロディーに置き換えられるわけではありません。楽器を持って四苦八苦してもどうにもならず、時間をかけて頭の中で熟成していくしかないように思います。

音楽は他の芸術のように下書きやスケッチのような断片を書き出しにくいので、音を出す前に、一旦、イメージを絵や文章などに書き出すと頭の中で焦点を絞りやすいようです。(へたくそですけど)絵を描くのも好きなのでメロディーを書き出す時のメモの譜面にいたずら書きをよくします。

歌物の場合は断片だけでも歌詞を書き出すとメロディーをまとめやすくなります。やはり、感情を表現する上で文字の力は絶大だと感じます。なので、インスト曲の場合でも、始めに仮のタイトルを決めてから作曲を始めるようにしています。タイトルだけでも文字でイメージが固まります。

今回は変わったところで、文字からインスト曲を作曲した例です。曲は4th アルバムに収録した"Blue in the dark"です。この曲は、桜を写したある写真に感動して、まず始めに次の短歌を作りました。
(以下、Facebookには既出です。スイマセン。)

  漆黒の 闇に溶け込む 花の色 君への思い 仄かに染むる

次にこの短歌を元に短い小説を書きました、ちょっと長くなりますが全文を掲載します。

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  "Blue blossoms in the dark"

 僕はその写真をくいるように見ていた。なぜ、そんなに引き込まれたのかは、その時は分からなかった。その写真は放課後の教室の僕の机の上に無造作に置かれていた。誰が置いたのかは分からない。

 夏を予感させるような春の終わりの暖かい風が高校の教室の窓から舞い込んでくる日だった。教室はすでに僕一人きりだった。きっと、誰かが置き忘れた写真が風に舞って僕の机に運ばれてきたのだろう。それは風景を撮った、ごく普通の写真だった。暗闇でおぼろげに桜の花が映っている。多分、1月ほど前のスナップ写真だろう。でも、その写真の中で桜の花は青く輝いて、僕に何かを訴えているように思える。何故なのだろう。

 突然、大きな音を立てて教室の扉が開いた。僕は現実に戻って背後の扉を見た。彼女の視線が真っ直ぐに僕を見ていた。僕は何事か分からずに彼女を見つめ返す。ほんのしばらく無言の時が流れ、僕の持っている写真を彼女が見ていることに気がついた。やっと事態が呑み込めて彼女に話しかける。
 「この写真、君の? 僕の机の上にあったんだ」
彼女は一瞬考えたようなそぶりを見せた後、僕の方に近づきながら答える。
 「うん。机の上に忘れちゃったんで、取りに来たんだ」
 彼女は帰宅の途中で慌てて戻ってきたようで、制服の胸に鞄を抱えて息を弾ませていた。そして、僕のそばにきて、僕の手の中の写真を覗き込む。いつも教室で会っている彼女とは違う、ほのかな笑顔を見せた。きっと、忘れた写真をみつけて、ほっとしたのだろう。でも、僕は少しドギマギした。教室で二人きりだからかもしれないし、写真に引き込まれてまだ幻想の中にいたのかもしれない。
 「写真、みつかって良かった」
 今度は、彼女がいつもの笑顔で話しかける。その一言で、僕は、やっと、いつものペースに戻った。
 「この写真、君が撮ったの?」
 「うん、綺麗に撮れたから、友達に見せようと思って学校に持ってきたんだ」
 「本当に綺麗に撮れているね。ちょっと、見いっちゃったよ」
 「本当? そう言ってくれると嬉しいな。友達はみんな興味なかったみたい」
 そう言って、彼女は、またさっきのほのかな笑みを浮かべた。その笑みの深みにある何かを見たような気がした。それは、写真の中で桜の花を照らしているほのかな青い光と同じかもしれない。それらは僕の心を引き込む力を持っているのかもしれない。

 僕は写真を彼女に手渡して、彼女に話しかける。
 「良かったら、一緒に帰る?」
 彼女は、またほのかな笑みを浮かべて、僕を見てうなずく。夏を予感させながら舞う温かい風を残して、僕らは教室を後にした。
                 
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - Copyright 2012 Katsumi Ochiai 

その後、この小説の着想を元にメロディーを作り曲に仕上げました。おとなしい曲が多い4th アルバムの中で、この曲は唯一ハードロックぽいので、この小説からはギャップを感じるかもしれませんね。自分的には、登場人物の女の子の心情にピッタリ当てはまりますが、、、。

最終的に曲名から"blossoms"を削除しましたが、その方がいろいろな意味に取りやすいかと思ったからです。インストの場合、作り手の思いを強要するのは粋ではない気がするので、タイトルはなるべく抽象的にしています。

と言った感じです。再アップですが、曲もアップしておきます。長文で失礼しました、、、。

 
Copyright 2014 Katsumi Ochiai 

ハーモニー(コード)は難しい [雑感]

以前、コード進行の解説を書きました(こちらこちら)。作曲をやっている人にしか興味がない内容だとは思いますが、今回も続きを書いてしまいます。とは言っても、今回はコードの解説ではなく、ダラダラとハーモニーにまつわる雑記です。作曲を始めた頃、難しくてどうにもならなかったのがハーモニー(コード進行)でした。何でそんなに難しいのか、その後、分かったことを書いてみます。

Keys

音楽は、リズム、メロディー、ハーモニーの3つでできていると言われます。ただ、その3つは対等ではなく、ハーモニーがない音楽も多く存在します。また、ハーモニーもメロディーもない音楽も存在し、例えば、多くの土着的な音楽は打楽器のみで歌も掛け声程度といったリズムだけのものが聞かれます。

ハーモニーのみの音楽がないのは当然ですが、メロディーのみの音楽も存在しません。メロディーにテンポや拍子などのリズムがなければ、話し言葉と変わらなくなってしまうからです。当然ながら歌は世界中にあるので、そこにリズムとメロディーは存在します。ただ、古くからある多くの曲は全員で同じメロディーを歌うのが一般的で、合いの手程度はあったとしても綺麗なハーモニーをつけることはありませんでした。例えば、日本の古来の歌もそうです。

音楽の成り立ちを考えると人類の創成と同じくしてリズムが生まれ、言葉が生まれた頃にメロディー(歌)が生まれ、最後にハーモニーが生まれたと考えられます。では、ハーモニーがいつごろ生まれたかと言うと、ヨーロッパの中世に芽生え、バロック時代に花開きました。およそ、400年前です。リズム、メロディーと比べると何万年もの時間の隔たりがあります。

また、ヨーロッパ以外の地域では、理論的に説明できる明確なハーモニーを持った音楽は生まれませんでした。歌をコーラスで歌うと言うのは、ヨーロッパだけで生まれた特殊なことなのです。例えば、日本の雅楽などにもハーモニーがありますが、何パターンかが世襲的に受け継がれてきただけで、多彩なハーモニーへの発展はありません。

その浅い歴史、ヨーロッパのみで発展した経緯を考えるとハーモニーは、リズムやメロディーのように我々の脳に深く刻まれているとは言いがたいのです。なので、直感的に、または生まれながらに出来ることは極めてまれだと言えます。やはり、勉強して覚えるしかないのがハーモニーなのだと思います。

ただ、ジャズを期に生まれたコードと言う概念は、複雑なハーモニーの極一部を切り取り、分かりやすく体系化しています。理論を知らずにハーモニーを演奏することもできますし、理論を勉強するとしても容易です。なので、コードで音楽を作っていくジャズやロックやポップスはハーモニーを勉強しやすいとも言えます。なので、素人でも手が出ると思います。

ただし、コード進行は、ハーモニーを簡易的に表現する手段であって、ハーモニーのすべてを語ってはいません。コードを「ジャーン」と弾くロックと何十ものパートが別々にメロディーを弾いてハーモニーを作るオーケストラでは、その奥深さは比になりません。どちらの音楽が優れているかと言うことはありませんが、まったく違うハーモニーであるのは確かです。

、、、とかとか長くなりましたが、ハーモニーは奥が深く、まだまだ語ることはありますが、それらを語るのは、またそのうちいつか、、、。


エレキ初心者の頃の練習方法 [雑感]

今回はエレキ・ギターを購入した頃の昔話をつらつらと書いてみます。始めてエレキ・ギターを買ったのは、大学受験が終わった高3の春休みでした。買ったのは今もメインで使用しているストラトのコピーモデルです。自分は作曲の道具としてエレキ・ギターを弾いているうちに、それなりに弾けるようになりました。普通はバンドをやりたかったり、プロのギタリストに憧れてエレキを始めることが多いと思いますので、他の人とちょっと経歴が違うようです。
 
Bach & Original tape
 
中学ぐらいからFMラジオなどで洋楽を聞いてましたが、高校になってからハードロックも聞き始めました。当時はギター・ヒーローの時代だったので、曲を好きになるにつれてギターの演奏にも興味が移りました。なので、完全に作曲の道具として割り切って買ったわけではなく、また、ギターを買ってもいきなり作曲がでいるわけでもないので、しばらくはニール・ショーン、マイケル・シェンカー、ゲイリー・ムーアといったギター・ヒーローの曲を練習してました。 

ただ、やはり演奏者として彼らと同じように弾けるようになりたいという気持ちは薄く、フレーズやコード進行を理解したら完全にコピーできなくてもいいやと言う感じでした。コピーは作曲を始めるために曲を分析すると言う気持ちが強かったです。当時はギターを始めたばかりで弾けないフレーズばかりでしたが、何カ月も練習して弾けるようになるという練習は苦手でした。1曲を習得するよりも次々と新しい曲を吸収したい思いでした。その後、コピーする曲がギター中心の曲から曲そのものやアレンジが面白いアイアン・メイデンやハロウィンなどへ移っていきました。

そして、2年目に入るぐらいからカセット・テープを使って自作曲の録音を始めました。経験1年ちょっとで弾けるフレーズはたかが知れてます。ただ、一人で曲を作るなら間違えずに弾いて録音しなければなりません。自分の演奏を録音したことがある人は分かると思いますが、録音はちょっとしたミスでも目立ってしまいます。CDなどに合わせてちゃんと弾けたと思っても、メトロノームだけで弾くと全然合わないことを経験したことがある人も多いと思いますが、録音はさらに数倍の精度が必要になります。弾けるまでひたすら何度も何度も録音を録り直すことになり、結果として正確に弾くための膨大な練習を積むことになりました。

また、同時期に作曲の勉強のためにと思ってバッハのバイオリン・ソロ曲(無伴奏ヴァイオリンのための3つのソナタと3つのパルティータ)に挑戦したのが、その後に大きな影響を及ぼしてます。この曲は超絶な難曲なので素人には弾けるわけはないのですが、楽譜を解明するためにゆっくりと弾いているうちに、今で言うスイープ、弦飛ばし、ストレッチなどの荒業を自然と身に付けてしまいました。時代的にもイングヴェイ・マルムスティーンが出た頃で彼の奏法をかなり参考にしました。今でも得意なネオ・クラシカル系の演奏は、この当時の経験から来ています。
 
結果として、作曲を習得したいがために、ろくに弾けない初心者の時から録音による正確さとバイオリン・ソロ曲の難しい運指を徹底的にやることになりました。この経験が誰に教わるでもなく一人で弾いているだけで上達が出来た理由かもしれません。その後、バンドに誘われて他の人とやるようになったのは、社会人2年生、エレキを買って6年目です。すでに、普通のロック・バンドでやる曲であれば練習しなくても弾ける程度にはなっていました。

ただ、これらの特異な練習方法が効率的だったのかは分かりません。大学生時代は録音のため、バイオリン・ソロ曲のため、毎日数時間弾いてたので、その練習量を考えると、練習方法はどうあれ、ある程度は上達して当然だったかもしれません。風呂と寝る時以外はギターを離さなかったと思います。今でも弾き始めるとそうですが、、、。

もちろん、その後、自分より上手い人に何人も遭遇して自分の力のなさを実感しましたし、感情を込めて弾くためには、さらに数段上の正確さが必要だと感じるようになったのは、もっとずっと後の最近です。

といった感じでエレキ購入から初心者の頃のお話しでした。
 

メロディーが浮かぶ時:後編 [雑感]

前回の続きです。今回のお題は「メロディーをどうやって頭の中でイメージするか?」です。前回は、メロディーの作り方・シチュエーションを書きましたが、今回は、そもそもオリジナルなメロディーを頭の中で生み出す方法についてです。
 
Staff notation 1
 
メロディーは既存の物を組み合わせて作るわけではなく、頭の中で無から生み出されます。頭の中で何が起こっているかは自分でも分かってるわけではありません。作曲に限らず、絵でも小説でもオリジナルなもの、特に芸術系のものを作る人は、皆、同じだとは思いますが、その質問に答えるのはとても難しいです。
 
一つ目の答えは、「技術・技巧を習得したから」です。曲を作るためには、リズム、メロディー、ハーモニーにそれぞれに理論があり、それらを覚えて実践できるようになる必要があります。そのためには、人の数倍(数十倍?)いろいろな音楽を真剣に聞き、楽器を習得する際も曲を丸暗記するのでなく、それらを解明しながら練習する必要があります。当然、理論書を読んで理解し頭に詰め込む必要もあります。

絵画にも遠近法を始めとする理論や筆の使い方による技巧などもありますし、どの世界も同じだと思われます。そのためには、何はともあれ、たくさんの音楽を聴くのがスタートになると思いますし、若いころから始める必要があると思います。ただし、モーツワルトなどは、幼少のころから作曲ができたと伝えられてますし、ごくごく一部の天才は、生まれながらに持っているのかもしれません。廻りにそういう人がいないので分かりませんが、、、。

2つ目の答えは、「感性・感受性を失わないように生きてきた」です。これは、とても抽象的で説明が難しいです。音楽に限らず、多くの芸術作品は人の気持ちを代弁するものだと思います。いろいろな感情を切り出して曲という形に変えていくのが作曲だと思います。恋の歌が多いのはまさにそれが理由ですね。もっとも人の感情が揺れ動くものなので表現しやすいのです。

ただし、人間は大人になるにつれて社会で生きていく中で感情を抑えることを覚えていきますし、そうしないと社会性がないとみなされてしまいます。なので、多くの場合、豊かでみずみずしい感受性は若い時にしかありません。若いうちに、作曲、芸術をやっていくと言う決意がなければ、それらはどんどんと失われていくと思います。具体的には説明できませんが、自分の気持ち、素直な感情を取るか廻りの人の多数決を取るか、、、のような局面を迎えるたびに失われていく気がします。多くの大芸術家が社会性がなく子供っぽいのはこのためだと思われます。

自分は趣味でやっているだけですし、真の芸術家のような豊かな感受性はないかもしれませんが、まあ普通の人ではないのは自他ともに認めるところです。最近は、曲が作れれば変わり者でもよいと割り切ってますが(笑)

と言うことで、抽象的なお話ですいませんでした。難しいことを書きましたが、結局、音楽が好きでやってきただけです。それが一番重要かもしれませんね


タグ:作曲